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グリーンコンサルタント 緑の総合研究所

樹木医 金田正弘 

桜の移植



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1. ソメイヨシノ古木の移植 10月24日

ソメイヨシノ古木の移植の写真1

ソメイヨシノ古木の移植の写真2移植後の紅葉

 小樽温泉宏楽園入口のレストランさくら前に立つ一本のソメイヨシノは、花見客が真っ先に目にする看板の桜でした。レストランが閉店し、跡地にセイコーマートが出店することになり急遽20m程移植することになり、根回しなしで実施しました。小樽の造園屋さんの協力で何とか移動できました。固い基盤に植えられ、痛みの激しい古木桜の観察が続きます。

2012年5月8日の開花2012年5月8日の開花

 移植の際多くの根を切除し、ようやく移動できたソメイヨシノです。翌春、他のソメイヨシノと変わらず満開に咲いてくれました。この後、樹勢が弱ると思われますが注意して手入れをする予定です。

2. 桜大径木の移植 環状剥皮を主体とした林試移植法の応用

2009年10月15日25tクレーン車使用2009年10月15日 25tクレーン車使用

 2009年5月25日室蘭市中島小学校校舎老朽化、少子化による学校統合校舎の新築工事があり、駐車場造成に支障の桜大木移植を移植することになりました。50年程前に植えられ一度も手入れをされていない2本の桜(オオシマザクラです)。


 造園工事では移植不可能と言われる桜に環状剥皮を主体とした林試移植法を応用し移植を実施しました。



根掘り後の環状剥皮根掘り後の環状剥皮(5月25日)

 太い根3本残したまま根掘り後、環状剥皮を実施、根元側にオキシベロン(発根促進ホルモン剤)を塗り、残りはトップジンMペースト(保護剤)を塗りました。

根鉢側面処置根鉢側面処置処置後100日(9月3日)処置後100日(9月3日)処置後140日(10月15日)処置後140日(10月15日)

 過去に造園業者として桜の大木を移植した事があります。いずれも枯損はしなかったものの芯枯れ、花付不良の無残な姿をさらす結果になりました。事前の根曲(根切り)をすれば良いことがわかっていながら、1年以上養生することができないがため失敗したと思っています。林試法は国立林業試験場浅川実験林の植村博士が考案した、環状剥皮を主体に小さい根鉢に掘取り、大量の発根を促す移植方法です。樹冠部の枝葉をなるべく切除せず、樹姿を保ったまま移す画期的な方法です。


 オオシマザクラ(C=100cm、C=220cm級)も処置後140日に移植を実施し、根掘り後3ヶ月少しで楽に確実に移植できる結果となりました。貴重な大径木移植に応用することが可能です。


3. エゾヤマザクラ大木の移植(浦河ロータリークラブ植樹祭)

2013年5月浦河ロータリークラブ植樹祭

 準備したエゾヤマザクラの大木は室蘭市(市内の造園屋さんに依頼)から運んできました(1年前に根曲し実施した大木)。

2013年5月浦河ロータリークラブ植樹祭

 浦河ロータリークラブの皆さんが植樹してくれました(風除け支柱は無しで大丈夫、倒れません)。横にある名馬トウシヨウボーイの像とならぶ優駿の里公園のシンボルです。

2013年5月浦河ロータリークラブ植樹祭

 植樹祭が終わり、ホーストレッキングは、エゾヤマザクラの真下を通ります。数年後、名所になれば最高です。

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